2025年8月、JRが発売する北海道&東日本パスを使って、東京から釧路まで在来線を乗り継いで旅をしました!
「東京駅」から北海道「釧路」を在来線を乗り継いで目指しました。全体の移動距離は約1,500km。

釧路に行くまでに4日間かかるスケジュールだったので、行きは在来線で向かい、帰りは飛行機で帰ってきました!
ずっとずっとやってみたかったローカル線旅。
飛行機で、羽田空港から新千歳空港は、1時間くらいで着いてしまいますが、在来線を乗り継いで各地で美味しいものを食べたり、車窓の風景を楽しみながら向かうのは有意義な体験でした!
北海道&東日本パスのルールをおさらい
北海道東日本パスは、JR東日本とJR北海道の路線を連続する7日間、使用できるチケットです。
システム的には青春18きっぷとも似ていますが、利用できる期間や範囲が異なります。
例年、夏と冬に発売されているその期間だけ購入、使用できる限定の切符です。
- 料金:おとな 11,530円(2025年夏)
- 利用できる区間:JR東日本・JR北海道の普通列車・快速列車(自由席)
- ※一部区間特急利用化
- 奥羽本線:青森〜新青森間
- 石勝線:新夕張〜新得間
- 室蘭本線:東室蘭〜室蘭間
- ※北海道新幹線 新青森⇔新函館北斗間は別途 特急券を購入することで乗車可能(=乗車券は不要)
- ※一部区間特急利用化
ちなみに特急利用区間は、その区間だけ乗車する場合のみ追加料金がかかりません。
例えば、札幌から釧路に行く間に「新夕張~新得」を通るため、この区間で解説すると
- 追加料金なし:
- 札幌(普通列車)ー新夕張で下車(後続の特急列車に乗換)ー新得で下車(後続の普通列車に乗換)ー釧路(普通列車)
- 追加料金あり:
- 札幌(特急列車)ー釧路(特急列車)
- 札幌ー釧路の全区間の特急券・乗車券が必要
- 札幌(普通列車)ー新夕張(後続の特急列車に乗換)ー(新得通過)ー釧路(特急列車)
- 新夕張から釧路間の特急券・乗車券が必要
- 札幌(特急列車)ー(新夕張通過)ー新得(後続の普通列車に乗換)ー釧路(普通列車)
- 札幌ー新得間の特急券・乗車券が必要
- 札幌(特急列車)ー釧路(特急列車)
新夕張-新得区間だけを乗る場合は、追加料金がかかりません。
それ以外の区間から乗車して続けて乗る場合や、それ以外の区間を続けて乗車し続けた場合は、新夕張ー新得区間を含む全区間分の料金が発生します。
東京駅から釧路駅までの旅行プラン
今回の旅は、ローカルラインの景色を楽しみながら、各地での美味しいものを食べることも目的の1つ。
大好きな晩酌も抜かりなく楽しむために、始発出発やギリギリの移動はNG。
釧路も人生初なので満喫したい。そう考えた結果、往路は電車で帰路は飛行機。新千歳から成田空港まで飛行機に乗って帰ってきました。
実際の7日間の過ごし方/経路紹介
釧路までは、4日かけて向かいました。帰りは飛行機だったりバスも使ったりしたのですが、ローカル線は、山あり海あり秘境あり。
美味しいものも当然ありで大満喫の電車旅でした!
Day1:東京 → 盛岡
- 乗換:宇都宮/黒磯/新白河/郡山/福島/白石/仙台/小牛田/一ノ関
- 東京駅を朝7時過ぎに出発→盛岡21時過ぎ到着。
- 移動距離:約530km

東京駅は通勤ラッシュでかなり混雑していました。
宇都宮に向かう電車の途中までは通勤客も多く、立って乗っている人もパラパラいらっしゃいましたが、次第に車窓からは田んぼが見えるようになっていくと比例して人も少なくなっていきました。

途中に雨の予報があったので、折りたたみ傘を買うために仙台で下車。
この東日本北海道パスの良いところは途中下車し放題なところですね!

帰宅ラッシュの時間帯だったので、仙台発の電車は混雑していて途中までは立って乗っていきました。
おそらくこの電車旅で唯一の立ち乗り。
小牛田の乗換以降はまた着席でした。

途中、『一関駅』でピカチュウと写真撮影。

なんでピカチュウ?と思って調べたら、復興支援として一関駅から気仙沼駅まで、ピカチュウ列車が運行していて、スポット駅にはこういったキャラクターモニュメントがあったりするそうです。
一ノ関駅から先は景色も真っ暗でしたが、水沢駅では風鈴の音が聞こえたり、気になる駅がいくつかありました。
盛岡に着いたのは21時を過ぎ。東横インにチェックイン。

すぐに「盛楼閣」で冷麺を食べます!このために1泊目は、盛岡にしました。
Day2:盛岡 → 函館
- 乗換:八戸/青森/新青森/新函館北斗
- 盛岡駅を出発したのは11時。函館の到着は17時前。
- 移動距離:約380km
朝はゆったり東横で朝食。東横インって、こんなに贅沢な朝ごはんがタダで食べれるって最強すぎますよね…

ゆったり朝食をとって、チェックアウト時間まで仮眠をして出発します。

この辺りから「電車の発車時間に合わせて改札に入れる」というシステムに遭遇しました。
東京の駅はいつでも入れるのが基本なので、私は人生初体験。
ここで新青森⇔新函館北斗駅間の乗車券をみどりの窓口で購入しました。

この辺りから先は、電車の車両は1両か2両です。

盛岡駅からは、いわて銀河鉄道に乗っていきます。この区間が特に絶景でした!
これで八戸駅まで向かいます。盛岡を出てしばらくは車窓から民家が見える景色が続きます。1時間も走ると深い山の中に入っていきます。

八戸駅で乗り換えると、そこから先は更に深い深い緑の中をかなりのスピード感で走る電車。
駅から海が見える絶景駅の「浅虫温泉駅」など温泉地もあるようで、降りてみたい駅がたくさんありました。
青森から函館へ渡るには、この区間は特急券(立ち席)を買います。

今回は盛岡駅のみどりの窓口で購入しました。もちろん新青森駅でも購入できます。
北海道新幹線も空いている席ならば座ってOKとのこと。

着席して向かいます。人生二度目の北海道新幹線での青函トンネル通過。
乗っている感じは何ら変哲のないトンネルなので、あんまり面白くはありません。(笑)
新幹線の終点駅、新函館北斗駅でまた在来線に乗り換え。今日の宿泊先、函館駅に向かいます。

新函館北斗駅から函館までの間は30分ほどで利用者も多かったです。
函館に着いたらラッキーピエロで乾杯!
Day3:函館 → 札幌
- 経由:長万部/東室蘭/苫小牧
- 函館駅を11時過ぎに出発。20時過ぎに到着。
- 移動距離:約280km


函館から長万部へ向かう車両では冷房が壊れていて、常にじんわり汗ばむ状態w
東京なら蒸し暑くて1人や2人は倒れる危機を感じますが、何とか耐えられる程でよかったです。
長万部駅で乗換。

乗換時間が30分くらいあったので、一瞬だけ改札外に出てみたりしましたが何もありませんでした。(笑)

函館から札幌に向かう間には、海沿いを走る区間も何度かあります。
長万部から先、トンネルが続いたかと思えば秘境駅「小幌駅」を通ったり。めちゃくちゃ眠くてあんまり堪能できませんでしたが・・・
ぎりぎり動画に映ってましたw小幌駅(スクリーンショット)です。

しばらく行くと、窓の外にきらめく海がしばらく続きました。

車でを運転していると満足に景色を楽しむ余裕がなかったりもするので、ゆっくり景色を楽しめるのも鉄道旅の醍醐味ですねー!絶景を堪能できました。
登別駅で乗り換えて、札幌に近づくにつれてお客さんが増えていきました。

登別かた苫小牧の間も、一時的に座席がいっぱいになるところもありました。
あんまりお客さんが多いと車窓の写真を撮れないので難しいですね…

苫小牧で最後の乗り換えです。途中から指定席専用になる車両があるとのことで、だいぶ迷いました。
私たちは「自由席」というアナウンスが入っていた車両に乗ったので退かされることはありませんでしたが、アナウンスをよく聞いて乗り換えることをおすすめします。

札幌には、20時頃に到着。札幌についたら、ここからは飲み!
ホテルでチェックインしてからすすきのに出かけて、深夜2時ごろにホテルにつきました。
Day4:札幌 → 釧路
- 経由:千歳/新夕張/新得/帯広
- 札幌を11時頃に出発し、釧路には18時過ぎに到着。
- 移動距離:約350km
翌日のお酒はすっかり抜けて、札幌を出て道東へ進んでいきます。
新千歳空港へ行く人が圧倒的に多い中、新千歳空港には止まらない電車に乗って新夕張を目指します!
新夕張駅で降りると、立派な山が見えて、駅からこの絶景!?と驚き。

新夕張で一度列車を降りて、新得駅まで特急に乗る必要があります。
この新夕張から新得の区間は、普通列車が廃線になっているようで、この手段しかありません。
よって、新夕張-新得間だけを乗車する場合、特急の追加料金なしで東日本北海道パスだけで乗車できます。
乗換を忘れると新夕張から新得間含む全区間の料金が請求されますので、要注意。
空いている席なら座ってOKですが、今回は大きいスーツケースがあったのでデッキに立って乗車しました。
乗車時間は1時間くらいで、デッキは私以外に誰もいなかったので不便はありませんでしたが、揺れはかなり激しかったです。
普通列車と比べると早すぎて景色も見えないし、窓も汚いし、この区間は楽しくありませんでした。(笑)
新得で電車を乗り換えて、帯広まで行きます。

ここだけ唯一、階段で乗換が必要でした―――!!!(笑)
この新得駅で乗り換えるほとんどの方が東日本北海道パスの利用者っぽくて、帯広まで行く方が多かったように思います。

帯広で乗換まで1時間ほど時間があったので、軽食調達。
帯広駅には、立派な駅で、コンビニもありました。
お土産に始まり、おにぎり、お弁当、お酒、水を購入。

帯広から釧路に向かう電車は、出発段階ではかなり混雑していました。
座席を選びたい場合は、改札で案内が始まったら早めに確保したほうがいいかもしれません。
帯広から釧路に向かう電車も、かなり景色がよくて北海道っっぽい景色を車窓から楽しめます。
帯広駅を出てしばらくは周辺にも家々がある平地が続きますが、しばらく行くと乗車客の減少していき、どんどん自然が深くなっていきました。
森の中を走ったり、小さくて黄色い花がたくさん咲いている絵にかいたような岡を走ったり。

少ない乗降客の中には熊除けの鈴をつけている学生さんもいらっしゃったり、車窓から鹿の群れが見れたり。
一段と自然が深くなっていくのを感じました。
さすがに普通列車の速さでは写真は撮れませんが、あまりにもたくさんいたので飼育されているのかと勘違いするほどでした。
最後の乗換は帯広で完了。行く先の乗り換えの緊張感もなく心置きなく景色を楽しめました。

釧路には、ちょうど日が沈んだ18時過ぎに到着。疲労の蓄積ゆえか札幌から釧路に向かう道のりが一番疲れた気がしました。

ホテルにチェックインして、釧路の街へ飲みに出かけます。
花咲ガニを食べたり、ホッケを食べたり。釧路には2泊しましたので、存分に楽しみました。


私の東日本北海道パスのメインの旅はここで終了です!
北海道&東日本パスで何円お得になったのか?
7日間乗り放題11,530円の北海道&東日本パス。
ぶっちゃけどのくらいお得だったのか、計算しました。
釧路までの経路をここで書きましたが、東日本北海道パスは帰路の一部でも使いましたので、それを合計して算出。
今回、私が使った道のりを通常料金で移動した場合の電車代はコチラ。
| 区間 | 料金 |
| 東京→盛岡 | 8,580円 |
| 盛岡→新青森 | 5,779円 |
| 新青森→新函館北斗 | 3,520円 |
| 新函館北斗→函館 | 470円 |
| 函館→札幌 | 5,940円 |
| 札幌→釧路 | 7,150円 |
| 釧路→塘路 (ノロッコ号往復) | 1,360円 |
| 札幌→新千歳空港 | 1,230円 |
| 成田空港→東京 | 1,539円 |
| 合計 | 34,029円 |
北海道&東日本パス、2万円以上お得らしい。
私は、スケジュールの都合で帰路の「釧路→札幌」間はバス移動を選択したので、もっともっと「お得旅」に全振りもできると思います。
正直、これでも充分すぎますが!!
困ったこと・注意点
今回の北海道&東日本パスを使った電車旅を決行した私から、困ったことや事前に気を付けておいた方がいいことをまとめます!
事前に乗換時間やルート、宿泊先を調査しておく
東日本北海道パスで北海道を目指す場合、乗換ミスがあるとたどり着けずに積む可能性があります。
今回のルートは、釧路を目指すうえで効率的に移動できたと思いますが、出発前に何度も何度も乗換ルートを調べていきました。
Yahoo!乗換案内を使用するか、ジョルダンの青春18きっぷ検索を使うと便利です。
ただ、東日本北海道パスは厳密には青春18きっぷとも制度が違って、利用可能列車も異なるので、それだけは要注意です。
土日の宿泊先の選定
1週間の旅行になります。お得に旅をしたい場合、経路で土日の宿泊先がどこになるかも先に考える必要があります。
今回の宿泊地だと、特に札幌のホテルが高いです。日程選びも、土曜日が札幌市内に重ならないように調整しました。
例えばルートによって、函館→札幌間で小樽経由で札幌を目指す方法もあったりするので、ルート選択が宿泊先の選定にも影響します。
お手洗いは車内で済ませる
基本的に、乗換時間にはわりと余裕がありますが、お手洗いに行ったりするほどの余裕はありません。
乗換駅でも、ホームは自動販売機がある程度のところが多いです。もしかしたら駅にお手洗いはないかもしれません。
宇都宮線以降は、どこかしらの車両にお手洗いがあります。お手洗いは、車内で済ませて降車するようにしましょう。
荷物はできるだけ減らして、キャスター付きバッグは要注意
7日間もあるのでなかなか厳しいですが、荷物は減らせるだけ減らしましょう!要注意なのがキャスター付きのバッグ。
7日間×2名分の荷物を、キャスター付きのスーツケースに入れて持って行きました。
こいつが電車内でずーっとコロコロ動こうとするのを捕まえていなければならず、さすがにスーツケースを車内で寝かして置くわけにもいかず。1日10時間近く電車に乗るので、かなりストレスでした…
スーツケースを持っていく場合は、ストッパーがついているものが絶対におすすめです。
飲食物(特に水)は多めに確保
乗換駅で30分くらいの時間があることもありましたが、時間があっても店がない!
乗換駅なのに無人駅だったり、かろうじて自販機があるだけ。水分や移動中の軽食は準備しておくと安心です。
特に脱水症状は生命にかかわりますし、タオルを湿らせて汗をおさえるためにも使いました。
今回の私のように急に電車内の冷房が効かない…なんてトラブルもあるかもしれませんので、水分は多めに持っておいてください!
まとめ:ぶっちゃけ、もう一回行くか?
ぶっちゃけ…もう一回行く?と聞かれたら、即答。
「来年にでも行きたい」
電車で訪れたからこそ知ることができた駅もたくさんあって、「降りてみたいな…」と思いながら、泣く泣く通り過ぎた駅がいくつもありました。
「次回は、これらの駅に途中下車する旅もいいなぁ」なんて思ったり。
北海道は広いし、今回選択した経路以外の経路でも釧路に行くことはできますので、「今回通らなかったルートや行先もいいなぁ」なんて思ったり。
新しい場所や各地の新しい名産などもたくさん知ることができて、次の旅先を発見できる有意義な旅でした。
「東日本」と「北海道」。
日本の上半分は満喫できるチケットなので、無限の可能性があると感じます。
「お得だから」というより、「移動自体が学びにもなり、観光にもなる」という満足感。
しかも3万円以上する電車賃が1万円になるなんてお得過ぎ!
行く前は、しんどいかな…と不安もありましたが、想像していたほど7日間の電車旅は辛く感じなかったので、個人的には来年にでも行きたいなと思っています。
JR東日本様、JR北海道様、北海道&東日本パスは末永く販売し続けてください。(笑)
この電車旅、一人旅にもとても向いていると感じました。
車窓を見ながらぼんやり考えごとをしたり、ふと目に入った風景に心を動かされたり。
誰かと一緒でも楽しいけれど、自分のペースで過ごせる時間は格別でした。
東日本北海道パスを使った旅は、「効率よく移動する」ことには向きません。非効率だからこそ見れる自然、垣間見える各地の生活、街の静けさ賑やかさ。
名前は知ってたけど、こんな感じの街なのか。と飛行機や新幹線では決して味わえないものです。
- 鉄道旅が好きな人
- 自然や風景をゆっくり楽しみたい人
- 一人旅をしてみたい人
そんな人には、ぜひおすすめしたい切符でした!JR東日本、JR北海道に感謝!



