先日、東京から香川県の直島へ一人旅に行ってきました。
雨の予報にちょっと不安だったんですが、それでも素敵な体験になったので、その様子を紹介します。
雨の直島観光の参考になるとうれしいです。
直島へのアクセス方法と基本情報
東京から香川県直島町に行くには、2つのルートがあります。
今回は、行きは岡山県 宇野港→宮浦港へ、帰りは宮浦港→香川県 高松港へ帰りました。(笑)

こちらが、宇野港がある宇野駅。
宇野港の方が、乗船時間は短いですが、港がある宇野駅まで岡崎駅から1時間ほどかかりました。(バスで1本)
対して、高松港は高松駅のすぐ近く。徒歩でも行けるぐらいの距離感だったので、高松港から行く方が利便性は高いかもしれません。
岡山(宇野港)からフェリー
料金:300円
時間:約30分
香川(高松港)からフェリー
料金:520円
時間:約60分
2024年03月の価格なので、最新の価格はホームページで確認してください。
■四国汽船株式会社 公式ホームページ
アートの島、直島 宮浦港に到着!
宇野港から30分。宮浦港に着くと、草間彌生さんの「赤かぼちゃ」がお出迎え。

この赤かぼちゃは、中に入ることができます。黒い点のうちの一部は人間が通れるようにくり抜けています。
アートが集まるエリアまでは、バスをのって移動しますが、ついてすぐにキター!という気持ちになります。
雨の日の島内移動手段はバス!
島内の移動手段は基本的にバスになります。
まず町営バスで、宮浦港→つつじ荘、つつじ荘から先は無料の送迎バスで美術館の間を移動できます。
町営バスは、てんとう虫のような水玉模様のラッピングバス。

晴れていれば自転車の人も多いはずが、雨の日は観光客ほぼ全員がバスに集中するので車内はかなり混雑。
船から美術館があるエリアへ向かうバスは、混雑で一便見送りました。
時刻表よりも早く、すぐに次のバスがきたので雨の日臨時便もあったようですが、時間にはかなり余裕をもって移動しなければなりません。(※臨時バスは、ラッピングバスではありません。)
特に帰りが要注意。
バス停で待つ時間が少しもったいないようにも感じますが、つつじ荘バス停に早めに向かうことをおすすめします!
帰りのバスに乗れなかった場合、最悪船にも乗れません…。
歩ける距離ではないので、バズに乗れなかった場合はタクシーを呼ぶしかないです。が、タクシーも多くありません。
私は最終の船を利用予定だったので、バス停で30分ほど待ちました。
美術館エリア入口のつつじ荘から先は、無料バスがあるので美術館と美術館の間の移動手段は無料バスで移動できます。
雨の日の直島観光での注意点
雨の日特有の困難があるので、雨予報で直島に渡る場合は注意が必要です。
- 美術館の予約は、時間に余裕を持って
- バスの混雑により、移動時間が読みづらい…時間がかかりやすい。
- 傘や雨具、タオルなどは、船に乗る前‼に入手する
- 直島の宮浦港では調達しにくい(できないかも?)
- 履き物選びは雨に強くて歩きやすい靴に
- 外を歩く時間が長く、砂浜エリアも多い
直島観光中は、外をかなり歩きます。
美術館と美術館の間の短い移動だったら、バスを待つより歩いた方が早いところもあります。
しかも、浜辺の公園にたくさんの展示がおかれていて、有名な黄色の南瓜も砂浜を歩く必要があります。水が入りづらくて歩きやすい靴は必須です。
直島内にはコンビニは1店舗あるようですが、少なくとも私が自然に観光している間は見かけませんでしたので現地調達は不可能。
宇野港や高松駅付近で、雨具など必要なものは準備しておいた方が安心です。
雨の日の直島アート巡り
今回訪れたのは、雨に佇む「地中美術館」と「杉本博司ギャラリー 時の回廊」。
直島といえば、「ベネッセハウス ミュージアム」が有名ですが、雨で移動にかなり時間がかかったので時間の都合で断念しました。
雨の日の直島観光は、一番奥の地中美術館から徐々に戻ってくるルートで回って、最後に杉本博司ギャラリー 時の回廊を予約するのが個人的にはよかったです。
屋外至るところにもアート作品
直島のアート作品は屋内にとどまらず、屋外にも展示されています。しかもこのエリアは無料。
かの有名な草間彌生の「南瓜」も屋外エリアに展示されています。(まあ数年前に海に流されたりしてましたからね…)

屋内展示は撮影NGのところも多かったですが、屋外の展示作品は撮影OK。自由に写真に残しながら、作品を鑑賞します。
この敷地は主に芝生…のような砂浜。コンクリートでは補装された道はありません。
雨だと、外の足元がよくない場所を歩かなければならないので少し大変です。

歩きやすい靴と大きめの傘で万全な状態で挑むのがおすすめです。結構しっかり砂浜の砂ですので、防水性があって汚れてもいい靴がおすすめです。
南瓜も、このように少し浜辺を歩いた防波堤の先にあります。

この公園には、南瓜以外もたくさんにアート作品がそこかしこに置かれています。
公園そのものがおもちゃ箱のようでした。
このような青を基調とした独特な配色・デザインの作品も飾られています。

どこかで見たことがある…けど、私は知識があまりないので可愛いな~とぼーっと観察。
サイズもいろいろで、夜に見たら怖そうだなーとかなり大きい(たぶん)ネコのオブジェ。

昼でもちょっと怖い。
このエリアだけでも10個以上は展示されていたと思うので、これだけでも一見の価値あり。
地中美術館
地中美術館は、つつじ荘(町営バスの終着点)から見るともっとも奥にあります。
モネの「睡蓮」シリーズや、ジェームズ・タレル、ウォルター・デ・マリアの作品が展示されています。
雨の日だったので、自然光を取り入れた展示は、晴れの日とはまた違った印象。
光が差し込めない分、空間そのものの静けさや作品の重厚感がより際立って感じられました。
入口付近にあるモネの世界を現実にしたような『地中の池』には、雨が静かに降る様子はとても印象的で、その湿度の高い様子がまた絵画のようでした。
雨と草木の匂いが混ざり合って、どこか感傷的な気分になります。
「雨の静けさに包まれる」ような感覚で、心に残る景色でした。
私が地中美術館でもっとも興味深かったのは、ジェームズ・タレルの『オープン・フィールド』

オレンジ色の照明の空間に、ブルーの四角い“作品”が飾られているように見えるのですが——実は、その“ブルーの空間”そのものに足を踏み入れる作品です。
10人ほどで同時に案内され、係の方の指示に従ってゆっくり階段を上っていきます。
ブルーの空間に足を踏み入れます。足元は普通の床で、特に不安定さがあるわけではないのに、距離感や奥行きが曖昧になっていくようで、なぜか「前に進むのが少し怖い」と感じました。
進んでいくと、係の人から「ここから先は進まないでください」と声をかけられます。
本当にこれ以上進むと実際に落ちてしまうそうです。しかしその境目はにわかに信じがたいほど、視覚的にはまったくわからないのです。
目の前のブルーはどこまでも続いているように見えて、後ろを振り返ると、オレンジの光に包まれた入り口もまた、無限に広がっているように感じられます。
無限の奥行きを感じる終わりが見えない、始まりすら曖昧なこの空間で、ここだけ切り離されたような、完全に没入しているようなそんな体験でした。
探究心と少しの恐怖心がないまぜで、たぶん人によって受け取る感覚がまったく違う作品だと思います。私にとっては、まさに“言語化しづらい、でも確かに記憶に焼きついた時間”でした。
没入型芸術作品で、写真と文字ではこの感動やときめきは絶対にわかりません。ぜひ行って、体験してほしいものでした。
そういえば、没入体験でいうとお近く島の「豊島美術館」もかなり感動しました。
わりと近くなので、もう1日あれば行ってみてほしい美術館。
杉本博司ギャラリー 時の回廊

ここは、雨の日の直島観光の最後にぜひ予約しておいてほしい。(帰り道のつつじ荘にも比較的近いので)
館内の展示は、モノトーン基調の写真作品が多く、照明も控えめ。写真撮影はOK。
ただ展示エリアは照明がかなり暗くて、作品自体もモノクロの陰影で魅せるようなものだったので、カメラではなかなか実際の深みや雰囲気が伝わらず。肉眼で楽しむのが良いです。
少し重々しい雰囲気でもありましたが、奥行きがあって私はとても惹き込まれました。
ここからが雨の日おすすめポイント!
チケットを購入すると、併設カフェでお茶とお菓子を無料でいただけます。

お茶菓子で一息。
ほうじ茶とお茶とお抹茶?で選べて、私はほうじ茶にしました。
雨でとても外では休めないし、美術館は座ってゆっくり…なんて場所が少ないので、ここは正解でした。

景色を見ながら、お茶をいただきます。
私が案内されたエリアは、テーブルが3つしかない個室のような空間で何とも余白の多いスペース…。
「杉本博司ギャラリー 時の回廊」に入らず、カフェだけ利用することはできませんので、ご注意を。
その分、人の出入りも少なくて、雨で疲れたタイミングに心身ともにホッとできる時間でした。
雨の日ならではの魅力。一人旅にもぴったり!
雨の忙しさもあり、あっという間に帰り時間…。帰りも町営バスに乗って、宮浦港に戻ります。
屋外にもたくさん展示があって、雨だと正直大変でした。が、雨だからこその静けさで、少し孤独も感じながらリラックスした時間を過ごせました!
特に地中美術館は、光の入り方によってまったく違う作品もあったので、晴れの日と違う楽しみがありました。

直島はぜひ一人デビューしたい方や一人旅先を考えている人にもおすすめできます。
「芸術家は孤独」と言われたりしますから、アートは孤独でこそ見えてくるものもありますね。
アートの力で、心が豊かになったような旅ができました。
直島は住民の方もいらっしゃるので、人の生活、街の歴史、自然、そして現代アートが共存する複合的な魅力がある場所だと感じました。
特に雨の日は、
- 無理なスケジュールを詰め込めないので、自分のペースで美術館内を巡れる
- 島全体が静かで落ち着いた雰囲気で、リラックスできる
- 雨で人の気配も少なく、賑やか過ぎないのでより一人を感じられる
きっと晴れたら、もっと明るく開けた空気と、賑やかな雰囲気が楽しめると思うので、次回は晴れの日にもまた訪れてみたいです。
直島は、雨の日でもアートに触れて心が満たされる素敵な島です。一人旅の行き先候補に、ぜひ入れてみてください。